ぼくの信条と、その対義語

エッセイ

自分の中の信条はおそらく幾つかありますが、
その中の一つで自分にとってすごく大事なものがあります。

それは、「目の前のものには全力で」です。

仕事だけじゃありません、人間関係だってそうです。
と言うのも恥ずかしながら過去の、恋人にフラれた経験からきています。
(フラれた事が恥ずかしい訳じゃなく、そんな所から何か得ているという事が。)

何というかよくありそうなダメな男パターンですが、
彼女はとても僕のことを大切にしてくれていました。後から思えば。
フリーターしながらやっている音楽活動にも理解を示し、
夕食やお弁当を作ってくれたし、
真冬に風呂のガス給湯が壊れて水しか出なかった時も一緒に耐えてくれました。

そんな彼女から別れを切り出されもう元には戻れないと分かった時、
自分が彼女に対して何もしてあげられていなかった事
ちゃんと向き合っていなかった事
自分も彼女のことが好きだったという事に、気付かされました。
全て失った時に気付いたんです。

そして気付いた結果どうなったかというと
例え話じゃなく本当に息も出来なくなるくらい後悔しました。
男は引きずると言いますが、
それから4年くらい経つと思いますが今も引きずってるくらいです。

本当にあんなに苦しい思いは二度としたくない、と言う思いから
「目の前のものには全力で」向き合うようになりました。
そうでないと、「こうしておけば良かった」と言う風に後悔が自分に向いてしまうからです。

もっと彼女に優しくすればよかった
もっとしっかり向き合えばよかった
もっと一緒にいる時間を大事にすればよかった
少しでも様子が違うと気付いたら、話をすればよかった

こんな後悔ばかり。これらをやらなかったせいで
ずっと後悔することになってしまいました。

もしも少なくとも自分は出来る限りのことはやっていたと
ちゃんと言えることが出来るなら、次へ進むことが出来ます。
だって自分にやれることが残っていないのなら、
あとはもう仕方ないですよね。
仕事でも人間関係でも勉強でも何でもそうだと思います。

自分に対してくだらない後悔を作らない。
良くない結果が出たとしても、すぐに次へ踏み出す。
そうするために、ぼくは「目の前のことには全力で」取り組むようになりました。



そんな事を、先日バイト先の店長と話をしていると、店長は
「自分は全く逆。自分のスタイルは「いい加減は良い加減」かな。」と話してくれました。

確かに弓の弦も常にピンと張りっぱなしでは、矢を引いて射ることは出来ません。
車のハンドルのように「あそび」を持つことも非常に重要です。
それに元々は、「いい加減」とはポジティブな意味合いで使われていたものだとか。
文字通り、加減が良い状態なわけですから。

ただ、僕の信条の逆は「いい加減なこと」(今使われているニュアンスの意味で)では
ないと思ったんです。
「いい加減は良い加減」、つまり程よい力加減で向き合うと言うスタンスは
立派なその人なりの向き合い方です。
その様なスタンスで物事や人に対して真摯に向き合うと言う姿勢は、成立すると思います。

「目の前のものに全力で」の逆は、「不誠実」だと思います。
「無責任」かもしれません。
自分の仕事、目の前の人・家族・恋人、自分が持った夢や目標、
それらに対してちゃんと誠実であること。
その誠実さの表し方が、人によって違うというだけなのではないでしょうか。
だから「不誠実の逆」は人の数だけあって良いと思います。

ちゃんと誠実でいるためにも、最近スマホは1日に3回しか見ないようにしています。
人前では僅かでも見ない!
これも、最近始めたライフハックの一つです・・・


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