コーヒーカップやマグカップは、どんな作家さんでも作ります。
だけど「ラテボウル」を作る人は恐らく世界にもあまりいないのではないでしょうか。
そもそもラテボウルとは何か。
これを知らない人がまず多いと思います。
ラテボウルとはカプチーノを提供するときに使われるカップで、
基本的にはボウル型など、つまりラテアートがやりやすいように出来ています。
ところで世界中で、バリスタのスキルを持ち合わせながら、
轆轤でカップを作れるという人がどの程度いるでしょうか。
僕は実質3年程と言う短い期間ではありましたが、
日本チャンピオンや世界チャンピオンのバリスタの方々と仕事をしたり、
美味しいエスプレッソやカプチーノについての知識や
何が本物であるかといった大切なことを学びました。
またバールを離れてからは紆余曲折ありながら、
39年と言うキャリアを持った京焼の職人である父から
焼き物について教わり始めました。
ちなみにこちらは、技術というよりは主に美学です。
(初めは、やめとけと断られましたが。)
日本チャンピオンのバリスタの方々からコーヒーを教わり、
キャリアを充分積んだ陶芸の職人からも技術や美学を学んでいるのは
恐らく僕だけでしょう。
作ったカップがラテアートに適しているか、普通は本人では確認が出来ないと思います。
何故ならラテアートをやってみないといけませんからね。
つまりラテボウルと呼ぶには、誰かに実際にラテアートを試してもらう必要があるでしょう。
しかし正直ラテアートは紙コップにでも出来るので、
ラテボウル、ラテ用カップなんて言ったもん勝ちみたいなところもあります。
ただやはりどんなカップにでも描けるかというとそうではなかったり、
描きにくかったりするものがあります。
僕は自分で作って、自分でラテアートを確認する事が出来ます。
それが最大の強み。
コーヒーカップはバリエーションが豊富にあり、また作るのも簡単です。
しかしラテボウルに関しては本当に少ないです。
それもそのはずでしょう、ラテボウルはただ液体が入れば良いというものではないので。
僕ならちゃんと、ラテアートに適したカップが作れます。
まあ何にでも描けるし描きますけど。ではなく、ちゃんと描きやすいカップ。
僕が作る以上はそういったカップを作らないことには、僕がやっている意味がないんです。
こんな形状なのに不思議と上手く描ける、なんて物があればすごい。
シンプルな形だけど大量生産ではない、可愛いカップも良いでしょう。
何にしても自分が作るカップの第一義は、ラテアートがやりやすい事。
ここです。
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